東京から470キロ地点、水沢市･･･いや、奥州市と合併して奥州市水沢区となった町で
国道沿いのロウソンで食事中に一人のおじさんに声をかけられた。
そして一曲歌ってくれという。歌った歌は「フラノの歌」。
おじさんはひとこと「それいい！」ほかには？
そこで2曲目「永遠の、少年」。
10秒も歌わないうちに
「ダメだなそれは。元気がなくなる」という。
で、なぜか話しているうちに「おじさんの知り合いの店で歌ってくれ」という。
で、ギャラが前払いで2万円。
ひゃぁ。
こうなるとれっきとした仕事なのでおじさんについてバーへ。
おじさんは僕のスポンサーになりたいという。
まあ、真意のほどはわからないが仕事である以上、おじさんのいうとおりに歌う。
「売り出そうと思えばあちこちの店で宣伝せねばいかん」と何件も飲み屋をはしごした。当然僕は飲まない。が、おじさんの口からは思いがけない言葉が・・・
「ママ、この子、知り合いの○○先生の一番弟子なんだが・・・といってもあの先生は弟子を取らないんで弟子は彼一人なんだが、先生が亡くなられてね、私が面倒を見ることになったんだよ。でいま、宣伝に回ってるところなんだが、少し歌わせてやってくれないだろうか？」
・・・・え？僕？誰の弟子なんですか？
すごいはったりかまして次々と飲み屋にて歌う場を作ってしまった。
「いいのかな〜・・・」と思いながらも黙って歌い続ける僕。
結局4件歌い、ほかに3件は断られた。ここで時刻は23：40あたり。外は雨が降っていた。
「さっきのロウソンの横のワゴン車は私の会社の車で後席が寝床になってるから、今夜はぐっすり寝て明日の朝出発しなさい」という。で、タクシーでそこまで送ってもらいコンビニで夜食を食べて歯を磨いていたら･･･
「おお、にいちゃん、もう一件歌ってほしいんだが」とタクシーで乗り付けておじさんが言う。
すぐさま用意してまた出発。今度は2件断られ3件歌った。
時間が遅いためもう飲み屋も閉まる時間になってまたタクシーで送ってもらった。
「ワゴン車の中にな、ノートがあるからそこに君の住所連絡先、それと銀行の振込み番号を書いておきなさい」といわれて別れた。
が。ワゴン車のドアが開かない。タクシーにはぼくひとりで送ってこられたのでおじさんはいない。
外は雨。
「ま、旅先だから雨が降るのも普通のことだわな」と再びカップめんを食べてロウソンに言伝を頼み
雨の中旅立った。
525キロ地点、猛烈に眠い、このままではまずい、どこかで寝よう。
うまい具合に個人経営らしいコンビニっぽい店が閉まっていた。屋根が張り出しておりベンチが置いてある。
バイクを寄せてそこで一晩眠る。
REGALさんありがとうございます！朝方7時、出発。2時間も寝てないが・・・