目指すは函館唯一の地下歩道。
わかっている情報は「五稜郭公園の近く」「商店街」だけ。
しかしそれは意外にすぐさま見つかった。
そこは交差点で、横断歩道が無く文字通りの地下歩道であった。
出入り口があったのでわかった。
バイクに傘を立てて最低限の荷物を持って地下歩道へ潜る。
21：30より26：20まで歌った。
とにかくひとが時々しか通らない。外は雨だし、時間も遅い。
「ひとりでも多くのひとに私がここで歌っていたことを覚えていてもらう」
それを理由に歌い続ける。
25時をまわったころだったろうか、6人組の学生が足を止めた。
ささやかながらチップも入った。
何曲か聴いてもらったころ、一人の学生から驚くべき言葉が。
「銭金、出てませんでした？」
もう5年も前のバラエティ番組に出たときのことを覚えていたのだ。
それからはもう大騒ぎだった。ＣＤも売れた。
一般学生のお客を巻き込んで「マジンガーＺ」を大合唱した。
持ってきたビデオカメラにも収めた。
後で投稿動画にアップしよう。
学生が帰った後、ピンクのシャツにメガネの青年さんがチップを入れてくれたのでインディーズＣＤUを持って行ってもらいました。
函館ライブを終えた後、後片付けをしていると
ギターの絃とピックを見つけた。
この場で歌っている函館のギター弾きのものだろう。
地下歩道を出ると外はまだ雨の中だった。
仕方が無いので今夜はここで睡眠をとる。
こういったところは危険性が高い。浮浪者や雨を避けて入ってくるたちの悪い奴がいるかもしれない。
こういう時にはいくつかのコツがある。
まず水の入った瓶やペットボトルを用意し、通路の両端に置き、2本の瓶口を糸で結んでピンと張る。
侵入者は通行の際、その瓶に注意が行く。
階段だと、1段抜かして歩いただけで足音が大きくなる。
もうひとつ。こういった時に心配なのは置き引きだが、
それを防ぐために荷物をお互いに繋いでおき
見えないように自分の身体に結び付けて置くのだ。
明日は我が故郷、大滝村だ！（現在は伊達市大滝区）