二〇一〇年、八月壱日夕方、
北海道へ向けて出発!
・・・・の予定が出発できなかった。
毎度毎度旅の資金がギリギリだったりして、それは今回も同じだったが、
それでもまだ資金を調達できるあてがあった。
アパートの裏に誰にも使われること無く放置状態にあったスクーターを修理してバイト先の知り合いに売却する予定であった。
売却の話はすでに2週間も前に決まっていて数日前に引き取りに来る約束になっていたが
延び延びになって
出発寸前になって「給料日まで待って欲しい」と言うことになってしまったのだ。
その結果、有り金をすべてかき集めても交通費用すら足りない状態での出発となってしまった。
ここ数年、北国遠征は「帰りの旅費は無い!」「帰ってきたきゃ出先で路上演奏で稼いで帰れ!」
というノリになってしまっているが、
今回は「出発する金すらない!」
- 出発予定だった1日、荷物も準備してから急遽、旅費を稼ぐために王子駅へ歌いに行く。
出発準備のできたバイクは荷物ごとカバーをかけて
売却予定のスクーターで出かけたが、
その日は日曜日、全く稼げなかった。
結局最低限のガソリン代ぶんを居候から借り、食料を自宅の食糧庫から積めるだけバイクに積み込んで2日の20:00、出発した。
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